【書評】金持ち父さんの投資ガイド・入門編。投資をする前に考えるべき事
今回は金持ち父さんの投資ガイド・入門編について記載します。
本のあらすじ
ファイナンス教育について問う『金持ち父さんシリーズ』の第3作が本書。作者ロバート・キヨサキの実体験に基づいた物語であり、若き日の作者を主人公としたストーリー調で語られる物語です。
大学を卒業後に米軍に入隊し、ベトナム戦争から帰ってきた主人公は、幼馴染の父親であり投資により金持ちになった「金持ち父さん」と再会する。主人公は軍隊で働いていた間にある程度の貯蓄を準備しており、金持ち父さんの行っている投資と同じ投資をしたいと申し出ます。 だが、金持ち父さんは投資を始めるより前に、まず良い投資家になる為に学び、経験し、お金を得るべきであり、その全てが終わった後に金持ちの行う投資をするべきだと言います。
そしてそこから、金持ち父さんによる投資に対する考えや、長い人生のファイナンスプランに対する考えが語られていく物語です。
本を読んでの所感
今後続く人生に対し、金銭面でどのようなプランを立てて行動するべきか考えさせられる本でした。
まずこの本の内容についてですが、タイトルに『投資ガイド』と銘打たれていますが、株取引や不動産・FX等といった個別の投資商品について説明する本ではありません。もちろん話の流れで不動産や株式の話も出てきますが、本書はいかなる投資においても前提となる「投資家としての考え方」を問う内容となります。
特に繰り返し言及されているのが「ファイナンスプランを作る事」です。
近年、将来への漠然とした不安があり、それにより「お金を増やす為に投資をしよう」と考える人が多いと思います。
ですが本書では、そのような漠然とした考え方ではなく、しっかりと専門家に相談をして
- 自分が最低限安心できるファイナンシャルプラン
- 快適に暮らす事が出来るファイナンシャルプラン
- 金持ちになる為のファイナンシャルプラン
の3つを作ってから、そのプランに従って投資を行うべきだと進言しています。
この考え方にはとても大きな感銘を受けました。
何故なら、私の周りにも「一時的に投資で儲けたのに、満足出来ずに続けて結局儲けを失った」という人がいるからです。 投資でお金を増やして安心感を得たいという考えは決して間違っていないとは思います。ただ、やはりその前に「自分にとっての安心・快適は何か」を考え「最低限の安心を得る為にはいくら必要で、いくらを投資に回す事が出来るのか」をしっかり計算した上で行動を起こすべきだと考えます。
この他にも時間を投資する事の重要性や、株価ではなくビジネスに投資するという考え方、無から資産を作るという考え方・・・等、この本には投資を始める前に一度は考えるべき事が沢山載っています。
投資に興味があったり実際に投資をしている人には大変おススメの本であり、また投資をする気が無くても人生プランに悩む人にとって様々な「気付き」を与えてくれる本だと思います。
自分はどう成長できたか
この本は投資に関する本ですが「人生のファイナンスプランを作る事」や「そのプランに従う事」という原則は、投資を行わない人生においても有用だと感じました。
よく「老後資金は3000万円必要だ」と言われていますが、実際に自分がどのような老後を過ごしたいかによって、その値段も変わると思います。例えば私の個人的な理想としては、月に1~2回は食事に行ったり美術館に行ったりしたいし、身体が元気なうちは海外旅行なんかにも行きたいと考えています。
そういった「自分の理想」を実現するのであれば、一般的に言われる「老後必要な資金」とはまた別のお金を準備する必要があると気付かされました。
また本書後半では「失敗から学ぶ事の重要性」についても問われており、失敗を避けるように行動する事は学ぶ機会を失う事であり、しいては学びにより得られる儲けを喪失する事だとまで言っています。
この失敗の重要性については様々な自己啓発本で言われていますが、実際に軍隊の一隊員から金持ち投資家になった作者の実体験を交えて語られると、より一層説得力があると感じました。
私は正直に言うとかなり慎重なタイプであり、新しい事をやる時に失敗したらどうしようと考えるタイプです。
やはり今後、いかに失敗を恐れずビジネスや投資の幅を広げていけるかが、自分の人生を左右するのかなと考えています。