ビジネス本書評ブログ−人生は読書量で決まる

ビジネス本の書評をブログに書いています。全記事「本のあらすじ」「本を読んでの所感」「自分はどう成長できたか」の3部構成で記載しているのが特徴です。

【書評】餃子屋と高級フレンチでは、どちらが儲かるか?ビジネスの基本である会計について気軽に学ぼう

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今回は餃子屋と高級フレンチでは、どちらが儲かるか? について記載します。

 

 

本のあらすじ

主人公の女性は、病気になった父親の跡を継ぐ形で、ある日突然「会社経営者」になってしまいます。

 

しかし、父から受け継いだこのアパレル会社は、実は長年赤字経営を続けており、社長が主人公になったタイミングでその危機的状態が明らかになります。

 

これまで会社に投資をしてくれていた銀行からも経営状態の悪化を指摘され、また社内的にも営業部長や経理部長と対立してしまい、経営上のアドバイスを貰える相手がいない状況となってしった主人公。

経営経験もなく困り果てた彼女は、近所に住んでいて付き合いが少しあった会計士に、会社の経営について相談をします。

 

会計士はこの相談を受諾し、様々なアドバイスを受けながら会社の経営=会計について学び、会社の経営改善に向けて奔走します。

 

本を読んでの所感

本書は会計について基本的な考え方を学ぶ為に作られた本であり、会計初心者にはとても読みやすく為になる本です。

 

会計というのは専門性の高い知識ですが、一方で会社が儲かる仕組みを知る事はビジネスマンに不可欠だと思います。

いわばビジネスマンの基礎と言ってもいいでしょう。

 

その為、会計関連本は数多く出版され、ベストセラーとなっている本もいくつかあります。

 

 

 

本書はそういった会計関連本の中でも、特に初心者向けに基本的な考え方から丁寧に説明がなされており、「会計入門書」として最適な内容となっています。

また、本書はストーリー形式になっている点でも他の会計関連書と異なります。

 

多くの会計関連書は、専門用語の説明や会計理論について細かく説明をする内容になっていますが、一方でそういった本は読んでいて「面白い」と感じるものではなく、読んでいる途中で投げ出してしまう方も多いのではないかと思います。

 

そういった本と比べると、本書は主人公と会計士の会話形式で構成されており、「経営難の会社を主人公が救う!」という分かりやすいストーリーに沿って話が進むので、途中で飽きにくい本だと思います。

 

「会計ってなんだか難しそうだし、とっつきにくいな」と思っている方でも気軽に読み進められるという点で、非常にオススメ出来る本だと思います。

 

自分はどう成長できたか

会計が利益を出す仕組みについて、改めて振り返る事が出来たのでとても勉強になりました。

 

私は現在会社の経理部門で働いているので、ある程度の会計知識はあるつもりです。

実際、本書の内容の多くは既に知っている事でした。

 

しかし、今までなんとなくしか理解していなかった部分について、本書で改めて平易な内容の説明を読んだおかげで、知識がより頭に定着したと感じます。

 

例えば本書タイトルにもなっている、餃子屋と高級フレンチの経営の違いです。

 

著者はこの2ジャンルの飲食店について固定費率に着目し、高級フレンチは売上が増えれば利益も大きく伸びるが、売上が減れば利益も大きく減る。

一方餃子屋はその利益変動幅が低い。という事を説明しています。

 

 

 

この経営システムの違いについて、経営者以外は普段あまり意識していないと思いますが、自分の会社がどういったタイプなのか知る事で

  • 固定費を減らす為に努力すべきか
  • 売上をとにかく伸ばすべきか

といった判断が出来るようになると思います。

 

そういった点で、非経営者のサラリーマンにとっても勉強になる本だと思います。

 

ただ、一方で本書は会計の基本的考え方の説明だけの内容なので、実務上の処理スキルや会計基準について細かく知りたい方には不向きとも言えます。

 

会計関連職に従事している人というよりも、普段会計に関わらない職種の人や、将来独立を目指す人が手軽に会計を学ぶ為の本だと思います。