ビジネス本書評ブログ−人生は読書量で決まる

ビジネス本の書評をブログに書いています。全記事「本のあらすじ」「本を読んでの所感」「自分はどう成長できたか」の3部構成で記載しているのが特徴です。

【書評】雑談力が上がる話し方。雑談力を高めて、人間関係を円滑にしよう

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今回は雑談力を上げる話し方について記載します。

 

 

本のあらすじ

本書はTVのバラエティ番組にも出演している明治大学教授・斎藤孝先生の著書です。

 

内容としては人間関係・コミュニケーションに関するハウツー本であり、タイトルの通り特に「雑談」にフォーカスを当てて人付き合いを指南しています。

書内では雑談について「普段何気なく行う、特に意味のないような世間話」と定義しており、結論を求めたり特定の話題を掘り下げる議論とは別の、ある種無駄にも思えるコミュニケーションを指しています。

 

雑談をする際の基本的な考え方・姿勢から始まり、会話に困った時の解決策まで幅広く雑談に関して書かれている本書。

 

「会社で報連相は出来るけど雑談は苦手…」

「同世代とは話せるけど年配の方と接するのは苦手だなぁ」

 

と考えている方にとって、その解決法を教えてくれる良書です。

 

本を読んでの所感

本書はコミュニケーションの中でも特に「雑談」に話題を絞って書かれています。

ではなぜ雑談を重要視するのでしょうか?

 

仕事帰りにたまたま一緒の時間になった上司・同僚と駅まで並んで歩く時の世間話。休日に友人・恋人と食事に行った時の日常のお話。

そういったものが雑談であり、言ってしまえば特に意味のない普段の会話であり、ジャンルも話の筋も決まっていないコミュニケーションです。 ですが雑談には会議での議論や仕事上の報告とは違った意味があります。それは「空気作り」です。

 

 

 

雑談が上手な人は職場を明るく風通しの良い雰囲気に出来ますし、周囲の人から「あの人には色々話しやすいし、仕事上の相談もしやすい」と思って貰えます。そういう自分の周囲の空気を作る為に重要なのが雑談であり、人間力を高める為には欠かせないスキルでもあります。 これは単なる友人関係だけでなく、仕事上の上司・部下との関係を深める為にも必要なスキルです。

 

一方で学校で雑談について学ぶ授業などほとんどありませんし、ビジネス書でも雑談にフォーカスを当てた本はそこまで多くありません。 本書では著者がバラエティ番組にも出演している経験を活かし、TOKIOの国分さんやビートたけしさん等の有名タレントの楽屋での雑談の様子も交えて、雑談スキル向上に役立つ考え方や技が書かれています。

図解で説明している個所もあり大変分かりやすい内容であり、学生から社会人まで幅広くの人にオススメ出来る本です。

  

自分はどう成長できたか

私がこの本を読んだ理由は、恥ずかしながら自分が雑談下手であるという意識があったからです。

仲の良い友人や世代の近い同僚とは比較的遠慮なく会話が出来るのですが、ある程度年の離れた上司や付き合いの浅い相手との雑談が苦手であり、しばしば会話が詰まり気まずい空気になってしまう事があります。 そういった自分の弱点を解決する為に本書を読みましたが、この本を読んだことで雑談に対する意識が大きく変わったと思います

 

本書で特に印象深かったのは「雑談に結論を求めてはいけない」「話の筋がずれていくのを気にしてはいけない」という事を繰り返し説明されていた点です。

振り返ってみて、たしかに今まで雑談の中で「結局は〇〇なんじゃないかな」と正論を述べて話を終わらせてしまう事がよくあると思います。しかし雑談は議論ではなく、その場や人間関係の空気作りの為にあるものであり、結論は重要ではないしどんどん話題を変えてもいいのだという事に気付かされてくれました

 

また、雑談が苦手な人について「自意識が高すぎて、自分の発言が周囲にどう思われるか気にしすぎる」と指摘されている点は図星でした。 私は頭に思いついたことを「これ言ったら相手どう思うかな」と考えて発言を躊躇してしまう事がよくあります。しかし雑談は真面目な会議ではないし、相手を傷つけるような物言いにさえ気を付ければ、過度に神経質になる必要はないのだと考え直させてくれました。

 

雑談力を上げる事は、プライベートの人間関係を広げる事だけでなく、職場での人間関係を円滑にして信頼を得る為にも有用だと思います。本当に雑談力を高めるにはやはり普段から意識的に雑談を行い、時間をかけて徐々に慣れて話術を高めるしかないと思いますが、そのきっかけになる非常に参考になる本であったと思います