【書評】ハーバードの人生が変わる東洋哲学。読めば必ず人生が変わる。
今回はハーバードの人生が変わる東洋哲学について記載します。
本のあらすじ
世界でもっとも優秀な学生が集まるハーバード大学でエリート学生を熱狂させる講義、それはマイケル・ピュエット教授による中国哲学の講座です。著者は中国哲学を人生論に適用して論じています。
東洋哲学を代表する諸子百家たちのそれぞれの思想をわかりやすく解説しています。
具体的に、孔子が説く「礼」や「仁」、老子が説く「道」、その他に孟子・墨子・荀子が説く思想について原文のままではなく、現代的な視点から西洋哲学との比較をしながら述べています。
マインドフルネスがブームになっていますが、そのオリジンは実は東洋哲学から来ていることについても触れ、ただの解説ではなく身近でも活用できるようにわかりやすく原点をうまく引用しながら、具体例も取り上げられています。
本を読んでの所感
西洋哲学が浸透している欧米圏から見れば、東洋哲学を具体例を用いながら、わかりやすく説明していると思います。
しかし、ちょっとでも東洋哲学にかじっている人が見れば、簡単すぎて内容が薄いと感じるかもしれません。
それでも、きちんとそれぞれの哲学者別にそれぞれの思想をわかりやすく解説しているので、東洋哲学入門書として読むのはいいかもしれません。
この一冊で人生が変わるとは思いませんが、東洋哲学への見方は変わります。
本の内容において、やはり孔子・老子に重きをおいて説明していますが、注目度がやや低いとされるその他の思想家についてもきちんと取り上げているところは評価したいです。
英語から日本語訳にされていることもあってか、ところどころ内容がやや抽象的すぎて、表現もややわかりづらい部分があるところは否めませんが、英語から日本語訳にという点を鑑みると、致し方のないことと思われます。
英語での原文もぜひ一度読んでみたいです。漢文をどのようにして英語訳をしているのも気になるところではあります。子曰くってどうやって英語に訳すのかなと疑問が尽きないです。
自分はどう成長できたか
この本に書かれていることは一度は他の本で見たことがある内容ではありますが、現代的な視点と西洋哲学の比較という観点では東洋哲学への新しい見方ができました。
また、一般的な書籍だとただの解説本に終わることが多いですが、本書は取り上げている思想をわかりやすく解説をしている上で、日常生活における考え方や活用仕方などについても書かれているので、自分の生活や普段の考えにおいてすんなり適用することができました。
東洋哲学を再度学ぶと、中国4000年の歴史の重みも改めて感じました。
情報過多で物質があふれているこの時代に東洋哲学は人間の本来あるべき姿について考えさせられます。中国の哲学家が説く思想は一見きれいごとのように見えるが、個人主義がはこびる現代だからこそ注目を浴びたのかもしれません。
そして、この現代だからこそ活用をしていきたいです。
諸子百家の思想について改めて学びたいと思える一冊でした。中国哲学と真摯に向き合えば、自分自身の何かが変わるかもしれない、と思えるほどの影響力があります。個人的には性善説と性悪説について深堀をしていきたいと思う。