【書評】嫌われる勇気。「もし〜だったら...」と言い訳しない生き方
今回は嫌われる勇気について記載します。
本のあらすじ
アドラー心理学のベストセラーです。
自分のことが好きになれず、卑屈で自信が持てずに悩んでいる青年が「先生」の部屋を訪ねるところから物語がスタートします。
先生が言うには、全ての悩みは対人関係から始まっており、それから自由になればあらゆる悩みから解放されると言います。
また、その意味で人間はだれしも平等であると説きます。
青年はこれに納得いきません。
「貧しい家に生まれた人と、裕福な家に生まれた人では人生が違って当たり前だ。この明白な待遇の違いを、先生はどう説明するんですか?」と青年は訪ねます。
青年と先生の対話を通して、青年の問題はどこにあるのか?どうしたら悩みから解放されるのか?と解き明かしていきます。
本を読んでの所感
この本を読む前、私も強い劣等感の持ち主でした。
海外で働きたいという夢はありましたが自分に自信が持てず、「もっとお金持ちに生まれていれば」「もっと美人に生まれていれば」自分の人生は違っていただろう、と自分の可能性をあきらめていたのです。
そして心の底では、この本に出てくる青年のように成功した人々をねたんでいました。
彼らはきっと運がよかったんだ、でも自分は違うからしょうがない、と。
このような「もし」を言い訳にすることは実は最も簡単で、今の自分を否定しないで済む方法です。
本を読み進めていくうちに私は無意識に自分自身にこの言い訳をしていたことに気づきました。
そしてこれではダメだ、これでは人生を前向きに進んでいくことができないと自分を戒める気持ちが湧いてきました。
そしてもう一度夢に向かって頑張りたい、というモチベーションで胸が熱くなりました。
読んでいるうちに涙があふれてきて、私の持っていた暗い気持ちも涙と一緒に洗い流れていくような感触を覚えました。
本を読んだ後は、すっきりして丸で生まれ変わったかのような気分になりました。
自分はどう成長できたか
等身大の自分を受け入れることは簡単ではありません。
だからこそ人は「もし~だったら...」という可能性の中に逃げるのだと思います。
ありのままの自分を見つめることは時に耐えがたく、情けない気分になりますが、いつまでもあったかもしれない可能性を言い訳にしていても始まりません。
物事は自分の力で変えていくしかないからです。
そのためにはくだらないプライドを捨てること、他人と自分を比べて終わりのない「権力争い」から足を洗うことが、とても重要だということを学びました。
自信のなさを虚栄や虚構で埋めても、自分自身は何も変われないからです。
そしてその不毛な戦いに身を投じているうちに、貴重な人生の時間は絶えず流れていきます。
世界は自分のために変わってくれませんが、だとしたら自分の世界に対する認識を変えればよい、ということに気づきました。
私の認識が変われば生活が変わり、人生が変わり、世界が変わります。
全ては今ここに存在している自分のあり方によるのだということに気づいてからは、「今の私にとって一番大切なものは何か?」を考えて生活するようになりました。
▼幸せになる勇気もあります!