【書評】人を動かす。この一冊で対人関係の原則は全て身につく
今回はD・カーネギーさんの人を動かすについて記載します。
本のあらすじ
本書は「人を動かす3原則」、「人に好かれる6原則」、「人を説得する12原則」、「人を変える9原則」、「幸福な家庭を作る7原則」の5つのテーマに大きく分けて、人を動かすにはどのような働きかけを行うべきかについて著者の実地研究によって浮かび上がった対人関係の原則が示されています。
例えば「人を動かす3原則」の2つ目の原則、「重要感を持たせる」では他者に重要感を持たせた場合と持たせなかった場合の実際の結果が紹介されており、その上で原則の重要性と重要感を持たせる為のノウハウが記されています。
本書は上司や部下の関係のみならず、家庭を含む対人関係全般が引き起こすであろう問題に対し、どのように行動を起こすべきか解決策が示されています。
本を読んでの所感
全体を通して読みやすく、非常に説得力を有している本です。
著者のデールカーネギーははアメリカの教師で、本書に出てくる実際のケースもアメリカの話が中心です。
しかしながら本書で示されている原則は日本における対人関係にも当てはまり、むしろ世界各国に向けた本である故にその原則は性別・人種・思想を超えて働きかけるものであると言えます。
著者の一方的な見解が述べられている指南書ではなく、リンカーン大統領の自伝などを含んだアメリカの歴史を通して、そこから共通の原則を見出している本であるために本書の原則は対人関係の根幹にあるもので、根幹的であるからこそシンプルで誰でも習得し実用できるものとなっています。
そして37ある原則はどれか1つ習得しただけでも大きな変化を実感できるので、生涯に渡ってじっくり読み込んでいく価値のある本です。
自分はどう成長できたか
本書により対人関係の根本の原則が理解できたことで、まず自身が直面したケースに応じて取るべき行動が瞬時に脳裏に浮かぶようになりました。
他人の欲求や要求の満たし方を知り、そして満たすことが出来るようになると結果的に自分自身に利益が得られました。
本書は話し方や何を話せば良いかどう振る舞うべきかについても触れているため、私のような対人技術の無い読者でも読む前と比べると自信を持って相手と向きあえるようになったと感じています。
又、原則を習得するために特別な才能(話術など)や機会(営業で経験を積むといった)を求められる事が無かったので、日常生活の範囲でゆっくりと対人技術を無理なく伸ばすことが出来ました。
この本を最初に読んだのは10年以上前になりますが、今でも変わらずに本書の原則は私の対人関係においての大きな助けとなっています。